弥山川遡行撮影

2002/09/07

  726日に単独で挑んだ弥山川遡行は事前調査が足りなくて失敗に終わった。地図のルートは川の側を通るものの、川の中を歩く場所が多々有るとは思ってもなく、登山靴での遡行は無理と判断し最初のがま滝にも到達出来ずに断念した。すごすごと帰るのも癪にさわるので、昭文社の地図には載っていない狼平から栃尾辻の道に合流するであろうと思われる林道突き当りからの小さな道を辿り、狼平に到着した経緯がある。

  今回は準備周到なさんをリーダーにさん、さん、私の4人での挑戦だ、ただしさんとさんは双門滝までは経験があるとの事。

  朝6時の天川川合待ち合わせでは、名古屋のさんは前夜発になるだろうと、電話をして黒滝の道の駅で落ち合い、そこで車中泊をする事にした。トイレや洗面に便利な道の駅はよく前夜発の登山に利用している。23時頃に到着したさんと24時近く迄車外で写真やもろもろの事の話しが弾み、近くに駐車している人への迷惑を感じ就寝に入った。

 

  さんの車を川合に、私の車を熊渡に置き2台の車で音無川沿いの林道を進む、荒れた林道で凹凸が激しく車高の低い車は底を擦って進めない道だ。道路の両側からせまる小枝をフロントガラスや屋根にぶっつけながらユックリと進む。白川八丁への降り口には2~3台の車なら駐車が可能だ。

  白川八丁の辺り数百mは川水が地下に潜り込み、川の表面に水は流れていない、川の表面はあまり大きくない石がゴロゴロと敷き詰められたようになっており、石の層が厚いので川石の下層部の空間を水が流れているのだろう。しかし川中に立っている樹木の枝に石が乗っている光景もあり、豪雨の時には川表面は凄い濁流となる事が察しられる。

  狼平への道は登山道を意識しているのか、川を何度も横切りながらも岸辺を通るようにルートが作られている(テープが付けられている)。沢靴を履いている場合は川の中を歩いた方が効率良く進めそうだ。一の滝から双門滝辺りは急激に高度を上げるため、鉄梯子の連続であるが、滑りにくいので通常の山道よりも安全で登り易く感じた。沢としての写真のポイントも沢山あり、さんやさんはこの情景に黄葉が重なった事をイメージして、速くも次回の撮影ポイントを探しているようだった。

  双門滝から本格的に降り出した雨の中、時折雷の音も聞こえてくる。川原小屋に近付く頃には豪雨のような雨脚となり、足を傷めたさんと二人赤い屋根のようなものを見つけて、あれが川原小屋だとほっとしたが、見てはいけない物を見てしまったかも知れない。先行した二人はその赤い屋根を見ていないし、またその方向に小屋はなかった。大雨が見せた幻影だったのだろうか。

  さんを残して小屋を求めて探していると、さんの焦った呼び声が聞こえる、「川が急激に増水している、早くしないと渡れなくなる」。我々は小屋のある逆の対岸を探していたのだ。赤い屋根を見て、てっきり小屋は此方側にあるものと思い込んでいたのだ。

 

  山でこんな豪雨に出会ったのは始めてだ、今日の予定がテント泊まりならと考えるとぞっとする。小屋に入ると緊張が緩む、びしょ濡れの体を速く温めたいといきなり素っ裸になり着替えを始めると、見たくない物を見せられた3人から非難の渦、笑いの渦。

  何時も楽しいジョークを飛ばすさんだが、酒が入ると拍車をかけた様に一段とボルテージが上がり、まるで独宴会だ。腹を抱えて笑う事2時間、酒が回り過ぎたのか足が痛むのか、いつのまにかうめきながらの就寝となった。

  あの豪雨も小屋に着いた頃から小雨になり、夜に入ると満天の星空が広がり、移ろい易い山の天気の典型的な一日であったようだ。シェラフカバー1枚の就寝では寒過ぎるかも知れない、幸い私はダウンのシェラフを準備しているので安心だが。

  朝方は昨夜の天気を引き継いで雲一つない晴天だったが、小屋をでる頃には俄かにガスが広がり怪しい天気になって来た。足を少し引きずって歩くさんが気がかりだが、何とかなるようだ。川原小屋から狼平迄は昨日のような急登は少ないし、1時間ちょっとのコース時間だ。写真屋にコース時間は意味の無いもので、実際に狼平に着いたのは12時少し前だ。

  狼平から河合方面に下り、途中から熊渡林道に出るコースを探すのだが、一度登った事のある私も地図にないルートなので分岐点をはっきりとは覚えていない。分岐点は道らしい物も分岐標識も無く、ただテープが付けられているだけだったし、分岐点付近では道のない急な斜面であった事だけが記憶に残っていた。記憶に近い雰囲気の場所3つ目で、さんのインターネットの情報もあり、どうやら分岐点らしい所を見つけた。5分程急斜面を下ると小さいが道といえるようなものがあり、テープもしっかりと付けられている。分岐点から1時間30分強で熊渡林道の終点に至る便利な道だが、解り難さのためにあまり利用されていないようだ。

 

  今回は天の川温泉に寄ったが、車も人も凄い数でだいぶ待たされてしまった。夏と秋の間のオフシーズンだと思われるこの時期に、どこにこんな沢山の人を引き付ける魅力があるのだろう。待ち時間で温泉の廊下に展示された写真を見たが、どれも色がおかしい、どぎつい色で最初は絵かなと思った程だ。この写真を撮った人がこれを見たら、展示するのは止めてくれと言いたそうな焼き上がりだった。

  強い個性を持った人達との山行は楽しくて、単独山行では味わえない魅力がある。志高の活動が活発になり、もっと沢山の人との山行が出来るようになる事を祈って今回の山行を終わった。

96日金曜日 19:30和歌山発 → 22:20黒滝道の駅到着 車中泊

9月7日土曜日 5:00起床 5:55天川河合着 7:00熊渡林道から山行開始

        15:00川原小屋到着

9月8日日曜日 7:30川原小屋発 → 15:00熊渡林道着

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