釈迦ヶ岳撮影山行

02/02/09

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日時:2002年2月9,10,11日

始めまして、今回志高の個人山行に始めて参加させていただき、そして入会を許された大峯です。いきなりの原稿要望にいささか戸惑っていますが、天候が悪く撮影チャンスの少なかった山行ながら、私にとって始めての複数での山行で楽しかった3日間を思い出しながらまとめてみました。

2月9日

去年の暮れに山上ヶ岳でお会いした名古屋のSさんに紹介されたKさんとは電話で話しただけなのに、待ち合わせの「星の国」で始めて会ったKさんは、律儀で物腰の柔らかなイメージ通りの人で、初見の方とは思えない親しみを感じ今回の山行に期待が膨らんだ。旭口に車を止めて9時に待ち合わせのSさん達を待っていると、親切なおじさんがここは工事の車が入るから釈迦に行く人たちはすぐ先で待っていると知らせてくれた。SさんとFさんとは山上ヶ岳で知り合い、Sさんの写真に対する執念と心の大きさにその時以来引かれている。

旭口より南からのルートが積雪期には車が入り易いとの事で、これより3台の車で168号線を更に南下すると、完全遮断の道路工事で12時にならないと通行出来ない区間があり、最初のつまずきとなる。ここで再び旭口に引き返し発電所の駐車場で私のパルサーを置いて行く事にした。(スタッドレスを履いているが前輪駆動のみの乗用車ではこれから先はとても無理)

旭から釈迦を目指すのは去年の11月11日以来。積雪期の釈迦の恐ろしさはその時山頂で会った登山者との会話“車が発電所迄しか入れず、そこから歩いたが途中の雪も深く登頂は断念した”で判っていたが、今日の積雪量は少ないが案の定アイスバーンでKさんのジムニーはスリップし轍の中では全く歯が立たない。バックで轍を外し、新雪の中にタイヤを乗せるとさすがに4駆のスタッドレスは強く難なく下の登山口近く迄登る事が出来た。Sさんのハコバンはチェーンを巻いていて、アイスバーンには強かったが、新雪ではジムニーにはかなわないとの事。

10時過ぎ下の登山口から登頂開始、平均して30cm程度の積雪で、アイゼンもワカンもいらない比較的歩き易い行程であったが、病気明けのSさんが最初から遅れ気味になったのが少し気に掛かる、本日は古田の森でのキャンプ予定なので距離的には心配は無いだろう。肝心の天候はどうもパッとしない、全く青空が見えず見通しも悪く写真撮影には向かない。“今日は山屋になるか”等のジョークも飛び出す。少し雪が深くなり、折角ワカンを持って来たのだから着けようという事になり、私にとって2度目のワカン装着となる。前週の大普賢岳単独行で始めて着けたワカンは装着方法が悪く、足からずれて苦労したので今回に備えて装着練習を行った成果が表れ、ワカンは最後まで足にフィットした。

   
 古田の森から天狗山方面を望む  白い太陽が不気味なテント場

古田の森では尾根伝いは風が強くて冷たいが南斜面は殆ど風が無い。ここで比較的緩い斜面を選んで、雪を整地してテントを張る事にした。ピッケルの小さなクワで整地作業をするのは山に登るよりもシンドイ、疲れが一気に出てきた様に感じた。2つのテントを張りいよいよ撮影にかかる。

釈迦の山頂は時折ガスが消えるが、ドンよりとしてシャープさが無い。霧氷も無く撮影ポイントが定まらない。天狗山方面にガスが無く少し明るくなっているのが唯一の救いか、そちらの方面を主体にレンズを向ける。私にはもう一つの難題がある。私はデジカメ撮影のみで、このデジカメがやたらと寒さに弱い。3セットの予備電池とカメラの電池部分に2個のカイロを着けての撮影でなんとかしのいでいるが、カメラ屋さんで何とか良い方法はないかと尋ねたら、そっけなく“無い”と言われ情けない思いをしている。(誰か良い方法を知りませんか?)本日はたった27枚の撮影で意欲喪失、明日に期待する。

今日はKさんのテントにお邪魔し、いつもの単独行独り寝と勝手が違うが、登山初心者の私には何かと教えられる事が多く、特に“山では食事も一つの楽しみだから何かちょっとした工夫があれば楽しみが倍増する”という意味の言葉になるほどという思いがした。(今までの単独テント泊ではラーメンばかりを食べていた)だいぶ気が引けたのは私のテントマットの大きさ、これが巨大でテント内の2/3を占め、これを買った店のオヤジのアドバイスの無さに、皆そんな店止めろと口を揃えて言われるしまつ、この次は小さいマットを持って行こうと思う。8時就寝。

2月10日

          一晩中風が強かったが、いつもの倍の10時間の睡眠で快適な朝を迎える。昨日と同様青空こそ見えないが今日は木々に薄らと霧氷が着き、昨日とはだいぶ趣が違う。薄いガスの上に時折浮かぶ真っ白の太陽が幻想的な雰囲気を醸し出す、この感じを写真に収めるには私の腕では10年早い感じで最初から諦める。東の熊野灘の海が朝日に輝いて見えるが、視力の弱い私には船が4艘浮いていると言われても見えない、車に置いてきた双眼鏡が恨めしい。

   
 釈迦ヶ岳方面

写真撮影そして昼食後4人で釈迦ヶ岳山頂を目指す。Sさん以外はカメラをザックに納めての登頂であるが、Sさんはカメラを持って離さない、この執念は見習わなければと思うが体が楽をしたがり私には出来なかった。(尾根は風がきつく寒かった)

   さすがに3連休と思うのは、この寒さの中を4~5組のパーティーと挨拶を交わす。この冬何回も登った山上ヶ岳も顔負けの登山者の数である。旭からの尾根道は雪の無い時は判り易い道だが、雪があると目標を掴めず初心者の私にはトレースが無ければ独りでは怖いかも知れない。Kさんによれば高いところを歩けば間違いはないとの事だが。他のパーティーが自分たち単独ではとても登れなかったと言って感謝の気持ちを表したのがのが実感できる。

山頂はガスと強い風と寒さと小雪で全く撮影意欲がわかず、カメラはついにザックから出る事もなかったが、持参した残りのビスケットの美味さが印象に残った。(雪道で疲れていたのかな)20分程で視界の無い山頂を後にキャンプ地に向かって下山を開始する。

   下山後の遊び時間に、Sさんにピッケルを使った滑落停止方法を実演してもらい数回練習をしたが、斜面の傾斜があまりきつくなかったのか結構早く止められるのを実感した。来年当りはアルプスを経験してみたいと思う。

   ここでSMさんともう一人の方(すみません名前を伺いませんでした)と合流し、SMさん達もここにテントを張ったが、固まった雪を鋸で切り出して氷のレンガにし、これをテントの周りに積み上げて風除けにする見事な職人芸をみて、山好きの人にはこんな事をする人もいるのかとビックリした。本日の就寝7時30分。

2月11日

           昨晩は夜半から風も治まり穏やかな夜だと思っていたが、朝起きてビックリ、一晩で30cm位の新雪が積もり、まだ雪が降り続いている。撮影最終日でもあり、天候の回復に望みをかけて暫く様子を見たが、悪くはなっても良くなる傾向は見れず、10時半撮影を断念して、SMさ達も含めて6人で下山開始。新雪にワカンがフィットして非常に歩き易く感じる。思わぬ積雪に帰りの車の事を気遣いながら黙々と行進する。ひとり元気なSMさんは一行の後をおうようにスナップを撮られていた。最近胃癌の手術をしたと伺っていたので元々頑強な体の持ち主なんだなと関心する。

   登山口に止めてあったSさんの車を、Uターンして道路に出すのに一苦労する。雪が深く、ハンドルが取られて思う方向に車が動かない。こんな時何人かの人がいる事がすごく心強いし、又冬山山行の必要条件かなとも思うが、単独行の魅力も捨てがたい。一人では危険な場所は避けて洞川当りで辛抱するかと自分を納得させ、Kさんの車に乗り込む。登坂時アイスバーンで少し恐怖を味わったジムニーも、アイスバーンを覆った新雪で恐怖は去り、Kさんの慎重な運転で事故も無く発電所駐車場に辿りついた。

最後はお定まりの夢の湯温泉にユックリと浸かりたかったが、KさんSさんは上がるのが早い、私は後倍程浸かって居たかったのに渋々二人の後を追った。夢の湯で解散後も168号線は所々で雪で登坂出来ない車が停車していたが、スタッドレスを履いた我が愛車はスイスイと坂道を登り快適な雪道ドライブを楽しんだ。(名阪国道が通行禁止になったのを知り、名古屋迄帰るSさんの事を気にしながら)

楽しかった山行に初参加させていただき有難う御座いました。

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